ハワイ州の方針として、州の沿岸地帯管理法に基づき、公共のビーチへのアクセスや地 理に悪影響を及ぼす可能性があるすべての海岸線の護岸が禁止されています。この方針 に基づき、ハワイ州の海岸線管理法では、防波堤を含む民間の海岸線護岸構造物の建設 を禁止しています。しかし、同法では、防潮堤の建設や修復が認められないことで困難 となる可能性のある海岸沿いの不動産の所有者に対して、例外が設けられています。
ハワイ州改正法 ("HRS") § 205A-46では、「海浜過程に悪影響を与えず、海岸線の浸食 をもたらさず、海岸線を人為的に固定しない民間の施設の建設または改修工事」に対し て、特例許可が認められています。ただし、当局は、施設または改修工事が海岸線領域 内で許可されない場合に申請者に生じる困難を考慮する必要があります。要するに、海 岸沿いの不動産の所有者たちは、特例許可がなければ何らかの困難が生じることを示す ことができれば、防波堤の建設や修理のための特例許可を、歴史的に取得することがで きていたということなのです。
一般的に、ほとんどの海岸沿いの不動産の所有者が特例許可を申請する際に挙げた困難 は、不動産の権利への害に対するものでした。HRS § 205A-46によって認められた例外 の下で、多くの海岸沿いの不動産の所有者は、新しい防波堤の建設や既存の防波堤の修 理を可能にする特例許可を求めて成功し、承認されてきました。しかし、もはやそうで はありません。
州政府や郡政府はこれまで、防波堤などの海岸線の護岸建設物を禁止する法令の施行に 関しては、比較的緩い姿勢で臨んできました。しかし、公共のビーチの保護を強化すべ きだという政府関係者への圧力の高まりを受けて、州政府や郡政府は、防波堤の建設や 修理のための特例許可を出すことに非常に消極的になっています。
現在は多くの場合、このような特例許可を得ることはほぼ不可能です。これに加えて、 適切な許可を得ずに建設された防波堤に対する規制も強化しています。最近では、無許 可で防波堤の建設や修理を行った場合、数千ドルから数万ドルの罰金が科せられていま す。海岸沿いの不動産の所有者の中には、防波堤やその他の障害物の撤去を命じられた 人もおり、防波堤の規制については今後も変化が予想されます。
ハワイ州議会では、防波堤の建設や修理を規制する法案がよく審議されています。州議 会では2017年にもそのような法案が審議されましたが、開発業者のロビイストが、法 案を正当化するための科学的根拠が不十分であると主張したため、法案は否決されまし た。購入希望者に海岸沿いの不動産を購入する際のリスクを認識させることを義務付け る2019年の法案にも、同様の効果が期待されましたが、これも失敗に終わりました。 最近では、海岸沿いの不動産所有者に対して、不動産を保護するために公共のビーチ沿 いに設置された緊急用の土嚢や防水シートを3年後に撤去することを義務付けるという 2021年の法案も否決されています。しかし、活動家が増え、防波堤が実際に公共のビ ーチに悪影響を与えていることを裏付ける科学的証拠が増えていることから、現在の法 律の流れは防波堤の規制をさらに厳しくする方向に傾いているようです。
防波堤の建設や補修に関する規制は、急速に発展している法律分野であり、現在の法律 が近い将来でさえも同じものであるという可能性はありません。かつては、防波堤の建 設や修理のための許可を得るのは比較的簡単な手続きでしたが、今日ではそのような特 例許可を得るのははるかに困難です。そのため、自分の土地に防波堤を建設したり修理 したりする前に、「私の防波堤は合法なのか」と尋ねてみることが重要かと思われます 。
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