COVID-19禍の中での遺産計画と個人的な準備

通常、自身の行為能力の欠如や死亡の可能性は、最も考えたくないことだと思います。が、最近の新型コロナウイルスの世界的流行により、これらが心に浮かぶこともあるのではないでしょうか? 遺産計画は、危機状態にある現在も危機が去った後も長らく、検認の回避、節税、子どもや他の家族の扶養、安心と心の平和などを含む様々なメリットを、貴方にもたらしてくれるものです。特に二つの書類、「信託」と「継続的効力を持つ一般委任状」は、貴方に一時的な障害が発生したり、自分自身のことを管理できなくなった場合のために、貴方と愛する方が準備をする手助けとなるものです。これらの書類は、下記に詳述したような様々な局面において、貴方が貴方の代わりに他の人物を任命することを許可するものです。

遺産計画の作成と維持
もし貴方が既に遺産計画書をお持ちの場合、今はその内容がすべて最新のものであることを確認するための良い時期と言えます。貴方の遺産計画に含まれる指示や任命が、貴方のご希望をきちんと反映していることが重要です。

もし、まだ遺産計画書をお持ちでないのなら、当事務所の標準的な遺産計画に含まれる下記の書類へのご署名をご検討ください。

  • 遺言書:遺言書の中では、貴方の死亡時に貴方の遺産を管理する人格代表者を任命し、遺産の取扱いを指示し、未成年の子どもや行為能力欠陥者に後継人を任命し、さらに埋葬の指示を行うことができます。遺言を利用可能にするために、裁判所は検認手続きを通じ、それが有効であることを決定しなければなりません。
  • 信託:貴方の状況によっては、信託が適切な場合もあります。信託により貴方の資産は検認を回避することができます。貴方の行為能力が欠如した場合、もしくは貴方の死後、たいへん簡単なものから複雑なものまで、信託は貴方の資産をどうするかについて指示することができます。通常、貴方は信託の最初の受託者となり、もし何らかの理由で貴方が受託者を務めることができなくなった場合、貴方は後継の受託者となる個人を指名します。後継の受託者を配置することで、行為能力の欠如や死亡時に権限をスムーズに移行することができるようになります。
  • 継続的効力を持つ一般委任状:継続的効力を持つ一般委任状は、貴方が行動することができなくなった場合や行為能力が欠如した場合に、貴方の信託が所持していない財産を取り扱うために、貴方に代わって行動する代理人を任命するものです。もっとも一般的に、継続的効力を持つ一般委任状は直ちに発効し、予期しない状況が発生した場合に、代理人が即座に行動できるようにするものです。ただし、これらの書類はまた、貴方の行動能力の欠如が決定された場合のみ有効となるように設定することもできます。このタイプの委任状は、Springing一般委任状と呼ばれます。Q1:私はESTA(「エスタ」)(ビザ免除)で米国に入国したのですが、新型コロナウイルス蔓延時に飛行機での旅行を避けるため、この旅行時に90日以上滞在することはできますか?
  • 事前医療指示書:事前医療指示書は、生前遺言とも呼ばれ、貴方がコミュニケーションが取れない状態になった場合、代理人が貴方のために医療上の決定を下すように指示するものです。それはまた、貴方の終末期の希望を記録し、痛みの管理や人工栄養など、それぞれについての指示を行うこともできます。

個人的な準備
上記の書類に加えて、時間をかけて貴方の財政、医療、さらにはソーシャルメディアのアカウントの情報などをまとめておくことは、貴方の行為能力が欠如したり、死亡した場合に、その処理をする人々の負担を軽減することになります。こちらから、個人的な準備のためのチェックリストをダウンロードしていただけます。

遺産検認裁判所
2020年3月16日に発行された緊急命令に従って、第一巡回検認裁判所は、一部変更が加えられたうえで現在も機能しています。

対面の審問はすべて中止となりました。代わりに裁判所は可能な場合は、Minute Orderにより裁定し、必要な場合は電話による審問を行います。ハワイ州最高裁判所が発行した命令はまた、聴聞を2020年4月30日の後まで延期することを認めています。

もし貴方が案件をご検討の場合、検認裁判所に係属中オ案件があり、この時期それがどのように影響を受けるかご心配の場合、クリスティーン久保田cak@hawaiilawyer.com もしくは穂波愛mh@hawaiilawyer.com までお問い合わせください。